
シダ植物について | 花と植物とイロドリLife #10
ボタニカルブランド「hakumokuren」主宰のmiwaさん。Museum of plants -植物の美術館-をコンセプトに、アクセサリーやフラワーアレンジメントなどのデザイン、製作を手がけています。ITFA公認フラワーアレンジメントベーシック取得。趣味は愛犬との日々。日常をちょっとだけ特別なものに彩る植物のある暮らしをテーマに綴っていただきます。今回は、これから訪れる梅雨の季節にもぴったりな、室内で楽しめる「シダ植物」についてご紹介いたします。
毎月第3月曜日更新予定です。
こんにちは。hakumokurenのmiwaです。
だんだんと気温も上がり汗ばむ陽気の日も増えて、初夏を感じる季節になりましたね。海水浴にビアガーデン、花火大会など夏が待ち遠しいです。
が、その前に日本には梅雨の季節がやってきます。
しとしと雨が降る中に紫陽花が鮮やかに咲いたり、アマガエルがぴょんと跳ねたり。と、この国らしい風情ある美しい情景が思い浮かびますね。その反面、長雨が続いて洗濯物が乾かなかったり高い湿度で髪の毛や肌がベタついたりと人間にとっては少し憂鬱を感じる季節でもあります。
でも、植物の中にはこの多湿な気候を好むものもいます。
今回はそんな特性を持つ植物たちの中から「シダ植物」を紹介してみようと思います。
シダ植物とは、維管束という内部組織を持つ植物の中でも、胞子によって繁殖を行う植物の総称だそうで、細かく分類すると数えきれないほどの様々な種類が存在します。またシダの多くは日が入りにくい場所で自生していることが多いため、日陰に強いものが多く、室内でも比較的育てやすいのが魅力。インドアグリーンとしても人気が高い植物です。
以前携わっていた観葉植物の販売業で特に印象的だったのが、シダをコレクションされている方が多いということでした。コレクションされている方はどちらかと言えば男性の方が多いのですが、女性の私もシダ植物のファンの一人。面白い葉の形や色、花を咲かすことなく胞子で子孫を増やすのもなんとも神秘的で数えきれないほどの種類があると知れば、ついつい見かけると集めたくなる気持ちがわかります。
そして最近我が家に入居したシダ植物がこちら。もふもふとした可愛らしい葉が集まってミニチュアの森のような出で立ちがユニークなセラギネラ。

別名クッションモスと呼ばれていますが、シダの仲間です。多湿と半日陰を好むタイプですが、葉が密に生い茂っているため、通気性が悪く内部が蒸れて枯れてしまうことも。適度な風通しが必要です。室内よりは屋外の方が栽培しやすそうと判断し、我が家ではベランダの半日陰で過ごしています。
また知人の庭師さん曰く、邸宅のお庭にセラギネラを植栽することもよくあるそうです。こんな繊細な姿ですが越冬することもあり、またその苔のような風貌はお庭を風情ある空間に演出してくれるのだそうです。
我が家では白いグラスに脚付きのポットを組み合わせてみました。繊細な葉ぶりと北欧風の花器で可愛らしく品のある女性らしいコーディネートになりました。
お次はフレボディウム・ブルースター。

長く伸びた茎の先に垂れ下がった葉が揺れる軽やかな姿、そして一番の特徴はシルバー系の葉色。
スタイリッシュなシダ植物です。こちらの植物は生命力が強く葉っぱが枯れてしまっても、根茎が生きていれば新芽が出てくるので、気がつけば私も7年ぐらい育てています。
鉢はシンプルな白い鉢ですっきりとまとめて、美しい葉の色と揺れる葉っぱが映える組み合わせにしています。
最後はダバリアというレースのような細やかな葉のシダ。
こちらは花屋さんにて切り葉で販売されていたものをお迎えしました。

見た目はとても軽やかで脆そうですが、意外と繊維がしっかりしていて頑丈なシダ植物です。また、この連載の1回目に紹介したシノブの仲間で、耐陰性もあり少し水を切らしても枯れにくい丈夫なシダです。根茎がふわふわとした毛で覆われており、苦手な方もいるのですが、私には小動物の手足のようで愛らしく思えてしまいます。

また主催するアクセサリーブランド「hakumokuren」では、こちらのダバリアを使用したアクセサリーも。樹脂の中に浮かぶシダの葉がみずみずしく、まるで水中のような透明感に仕上がっています。この季節にふさわしい人気のアクセサリーです。

姿かたち、性質がとてもユニークなシダ植物たち。ぜひ生活に取り入れて、愛でることで憂鬱な梅雨も楽しんでみてはいかがでしょうか。
〈企画展「H A I -Life by favorite-」〉
3作家で構成するセンス溢れる企画展が開催されます。
ぜひお越しください。
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AZbonheur(レザーグッズ)/ azbonn(ヴィンテージ 洋服・雑貨)
IRONO(真鍮・シルバーアクセサリー)
hakumokuren(ボタニカルアクセサリー)
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5月28日(土)11:00~20:00 / 5月29日(日)11:00〜19:00
場所:gokan omotesando
東京都渋谷区神宮前4-7-3 HMビル1階
(地下鉄各線「表参道」駅 徒歩5分)
〈hakumokuren 出展情報〉
6月16日(木)〜 6月22日(水)五反田東急スクエア