ラスベガスで大ピンチ!|ありのままのニューヨークライフ #20
誰もが憧れるニューヨークでの暮らし。
街と等身大のニューヨークライフをニューヨーク在住の「MIKU」さんに教えていただきます。
第20回目の今回は、MIKUさんが体験したラスベガスでの”大ピンチ”について。
毎月第3火曜日更新。
こんにちは、MIKUです。
8月に夏休みの旅行に行ってきました。今回はラスベガスからグランドキャニオン、そしてフラグスタッフ、フェニックスというコースです。
言葉にはならないほどの壮大な大自然グランドキャニオンに感動したり、フェニックスの40℃越えの気温を経験したり、なかなか楽しい旅でしたが、大事件も。
そう、なんと私たちラスベガスからグランドキャニオンに行く1日1本のバスを逃してしまったのです。なぜか出発時間を10分誤解していたこと、そしてラスベガスには意外にも信号が多く渋滞にはまってしまったこと、運悪く重なりバスターミナルについたのはバスが出発した5分後でした。
私たちは頭が真っ白。ラスベガスのキラキラ・ギラギラネオンはもうお腹いっぱい。早く大自然のあるグランドキャニオンに行きたい。いったん落ち着くべく、トイレに行ってみたものの、もう何もいい方法は思いつきません。
が、なんとダメ元でLyft(配車サービス)を呼ぶとグランドキャニオンまでの約4時半の道のりを連れて行ってくれる人が現われたのです。捨てる神いれば、拾う神ありとはこのこと!!テンションがあがった私たちは早速車に乗り、ドライバーさんと打ち解けていきます。
が、何か間違ったことを言ってしまったのでしょうか。それとも英語でミスコミュニケーションが発生したのでしょうか。
「は?グランドキャニオンまで連れて行くわけないでしょ!」
と言われ、ひと悶着あり。ラスベガスから30分ほど乗ったBoulder Cityという街で降ろされてしまいます。さて、どうする?!大体どこココ?もうラスベガスに戻る?あのパリピの街でもう1泊するしかないのか。もう泣きそう。時間を3時間前に戻してほしい。
また頭は真っ白。もう1度トイレに行って冷静になります。が、もう冷静になれない2人。それでも諦めの悪い私たちはUberを使ってみました。
するとなんと再びグランドキャニオンまで連れて行ってくれるという神様が。しかし先ほどのこともあり信用なんかできません。まずは夫が英語で「グランドキャニオンまで行きたい」と伝える、そして私が改めて翻訳アプリで伝える、もうできれば録音だってしておきたい。そして使い慣れていない英語でぺらぺら喋らない!と2人で作戦を立てて車に乗り込みます。
「わかってるって。そのためにさっきガソリンスタンドに行って、長距離ドライブに備えたんだよ。任せなさい」とにっこり笑うドライバーさん。
これは本当に神様なのか!?!?
ドライブしながら街や景色の説明をして、なんとか私たちを和ませようとしてくれるドライバーさん。そろそろ信用してもいいかなと思った時。
「長距離ドライブだから携帯の充電なくなっちゃうでしょう!これを使いなさい」とポータブル充電器まで出してくれます。
もう安心感からか夫は爆睡。それでも信用のできない私は誰か変な人と連絡などを取っていないかずっと後ろからドライバーさんの携帯の動きを監視。するとなんとFaceBookで「今日はグランドキャニオンに行きます!」と投稿していることが確認取れました。
ああ、これは本気だ。私たちグランドキャニオンに行ける。そう思うと眠くなってきました。
…それから数時間後。相変わらずどこか感じの悪い私に「グランドキャニオンから出る時にまた迎えに行こうか?」と翻訳アプリを使って話しかけてくれました。グランドキャニオンから出る時はすでにバスを予約していることを説明し、心から感謝をお伝えし、車を降ります。
「アリガトウ。I can speak Japanese!!」となんと最後に笑ってくれました。
少し弾んだチップ代、Uber代、無駄にしたバス代、もういくら余計にお金がかかってしまったかわからないけれど、最後のアリガトウ。その言葉とドライバーさんとの出会いがじわっと心に拡がっていきます。
なんとか無事についたグランドキャニオン。
神様、本当にアリガトウ。どこかわけありそうな今にも泣きそうな私に最後までとても優しかったドライバーのマイクさん…。この思い出は一生ものです。
どこかマヌケな私はフラグスタッフでは間違えて立ち入り禁止区域に行きそうになり、番犬2匹に追いかけられ、「ああ、今この犬たちに噛まれたら私はまたバスを逃してしまう…。」そう思いながら逃げ回り、泥にドロン!そんなことも思い出です。
色々ありましたが、無事に家に帰ってきました。やっぱり家は落ち着きますねぇ。