道端に咲く草花の紹介。「オオイヌノフグリ」|みち草さんぽ #10
デザイン会社に勤務しつつ、5歳の男の子を育てる一児の母のmaiさん。
写真を撮ることとお散歩が趣味の彼女の日常とともに、身近な植物のご紹介をいたします。今回は、春の訪れを感じ始めた暖かい日中に出会った小さな青いお花をつけた雑草をご紹介いただきました。
毎月第3金曜日更新予定です。
3月に入ってから、春の訪れを感じるような暖かい日が増えてきましたね。桜の開花も間も無くか!?気持ちの良い、うれしい季節がやってきました。
先月お引っ越しを済ませたばかりの我が家では、この桜の季節を楽しみに過ごしています。なぜかというと、家から2~3分ほど歩いたところに、桜並木がずらりと並んだお散歩やランニングに最適なスポットがあるんです!
今年の桜の季節も、昨年同様できっと友人たちと集まったりワイワイすることは難しいんだろうなーと残念に思いつつ、お花見スポットが近所にできたことによって、気軽に家族でお散歩がてらお花見ができることを楽しみにしていました。
そういえば、春の訪れとともに子供と一緒にランニングを始めてみました。
「ランニングを始めた」と言っても、毎朝・毎晩決まった時間に走るわけではなく、ましてやランニングウェアを身に纏って颯爽と走るわけでもなく、予定のない休みの日限定で、気が向いた時にちょっと運動できそうな楽な服装で気まぐれに走っています。
5歳の息子はちょうど負けず嫌いな時期らしく、”保育園の誰よりも速く走れるようになりたい!!”という立派な目標をいつの間にか立てていて、どうやったら速く走れるようになるかどうかを家族だけでなく保育園や親戚周りなどに色々とリサーチを行っている様子でした。
「どうやったら速く走れるようになるの?」という問いかけに対して、さほど運動に自信がなく、どうやったら速く走れるのかについてほとんど考えてくることがなかった私は、「とりあえずたくさん走って、体力つけてみたらどうかな?」と答えたことによって、私も一緒に走ることになりました。
運動神経の良い5歳の息子と、ろくに運動をやって来なかった、体力には自信のない30代女性(私)の二人でのランニングだからか、お互いにちょうど良いペースで、ほどよく一緒に走り続けることができているみたいです。
今までランニングには全く興味がなくて、走ることに楽しみを見出せないと思っていたタイプの人間でしたが、実際に走り始めてみて気がついたことは、「走り続けていくと意外に楽しい!」ということでした。いつか普通にランニングが日課になるような健康的な生活を目指したいです。
ものすごく個人的なことですが、走っていて気がついたことがもう一つありました。
それは、「走っている時と歩いている時とでは、見ている景色の範囲が違う!」ということ。
走っている間はほとんど足元に目を落とすことがなく、空だったり広い範囲の景色を見ながら走っているのですが、ペースダウンするにつれて、だんだんと視線が足元にも目がいくようになるみたいです。(個人的な感想です。)
ペースダウンしていって、歩くスピードに変わった頃、道の端っこに咲く小さな可愛い青いお花を発見しました。
みち草ファイル10 「オオイヌノフグリ」
オオバコ科 / 越年草 / 花期:2~5月 / 草丈:5〜30cm
すごく小さくて、多分1つだけだと見過ごしてしまいそうなこのお花。群れになって咲いていることが多く、すごい存在感を発揮します。今の季節は道端のちょっとしたスペースや芝生の一角など、いろいろな場所で見かけることができると思います。
早春の陽だまりで、他の植物たちよりも一足早くお花を咲かせる外来種のオオイヌノフグリ。もともとはヨーロッパ原産で、明治のはじめ頃に日本にもやってきたそうです。日本の在来種「イヌノフグリ」によく似ていて、イヌノフグリよりも大きいお花だったためにこの名がついたのだとか。
一つ一つのお花はとても小さくかわいらしいのですが、かわいらしい見た目とは裏腹にとても丈夫で繁殖力も強いたくましい植物で、雪が降る寒い日でも、霜が降りるような冷え切った日でも、じっと春を待ち2月頃から5月頃にかけてお花を咲かせます。
オオイヌノフグリは、陽の当たる時にだけお花を咲かせる一日花。陽の落ちる頃にはしぼんでしまいますが、しぼんだ後に「さく果」という実ができて、熟すと種が弾き飛び、周辺に芽吹いていきます。茎や葉にはまばらに毛が生えていて、茎が分岐して横へ横へと広がるようにお花を咲かせていくそうです。お花の絨毯のように咲いているその姿は、なんとなくネモフィラにも似ています。
花言葉は、「信頼」「忠実」「清らか」
オオイヌノフグリの学名が、聖書に登場する聖女ベロニカと同じ綴りであることから、彼女にちなんで花言葉が付けられたそうです。学名だけではなく、可愛らしいその姿からも美しい花言葉がお似合いのように感じます。
これから訪れる桜の季節。きっと今年もステキなお花を咲かせてくれることでしょう。この季節は上の方ばかり眺めて歩いてしまいそうですが、たまには足元に咲く素敵な植物たちにも注目してみてくださいね。