道端に咲く草花の紹介。「ナガミヒナゲシ」|みち草さんぽ #12
デザイン会社に勤務しつつ、つい先日6歳になったばかりの息子さんを子育て中のmaiさん。
写真を撮ることとお散歩が趣味の彼女の日常とともに、身近な植物のご紹介をいたします。今回は、最近色々な場所でよく見かけるポピーに似た雑草のご紹介です。
毎月第3金曜日更新予定です。
ゴールデンウィークの長い連休、みなさんいかがお過ごしでしたか?行動制限のない状態でのゴールデンウィークは3年ぶりということで、遠くへお出かけされた方も多かったのではないでしょうか?お天気の良い日が多くて、気持ち良いお休みでしたね。
我が家は特に遠出をすることなく、とは言っても、いつもよりはフットワーク軽めに動いて、子供と一緒にプラっと会いたい人たちに会いに行ったり、ちょっと気まぐれに一日を過ごしてみたりと、なんだかとても充実した時間を過ごせました。
連休明けすぐが息子の6歳の誕生日!ということもあり、大好きなおもちゃ屋さんをはじめ、色々なショップを見てまわったり、祖父母におねだりしたりと、息子にとってはお楽しみもいっぱいで、ホクホクとしたお休みだったんじゃないかな?と思います。
そんな今年のお誕生日に立派な20インチの自転車を手に入れた息子。今までの自転車には付いていなかった「前かご」や「ギア」や「ライト」など大人と同じような仕様になったので、とても得意気になっていました。早く新しい自転車に慣れたいからと、練習をしに近所の空きスペースへも一緒に通う日々でした。
自転車の練習場へ向かう途中の道は比較的自然が多く、川沿いを歩いていると色とりどりの植物が楽しめるのですが、道路の隅っこに群れをなして咲いている、サーモンオレンジ色のお花たちや、変わった形のかわいらしい実たちが、いつからか気になる存在に。
かわいらしい姿のその植物について少し調べてみることにしました。
みち草ファイル12 「ナガミヒナゲシ」
ケシ科 / 1年後 or 越年草 / 花期:3〜5月 / 草丈10〜50cm
ポピーによく似たそのお花。スーッと伸びた茎から可愛らしく小ぶりなお花と特徴的なかわいらしい実を付けています。葉っぱはタンポポやヨモギの葉に似たロゼット状。原産は地中海沿岸、ケシ科ケシ属の1年草でポピー(ヒナゲシ)と同じケシの仲間でした!
このナガミヒナゲシ、ここ数年くらいで急にたくさん色々な場所で見かけるようになったような気がするのですが、皆さんもそう思いませんか?以前はさほど見かけなかったけど、なんだか近頃目にすることが増えたような気がします。
日本で最初に発見されたのは、1961年東京都世田谷区で、もともと園芸種として輸入されたものではなく、輸入作物の中に種子が混じっていたことから広まったそうです。生育場所は選ばず、道端に落ちた種子が自動車のタイヤなどにくっついて運ばれたと推測されています。
ナガミヒナゲシは繁殖力がとても高く、1つの実(花が咲く箇所)から1500粒もの種が取れるそうです。さらに、1つの個体が100個の実をつけることもあるそうで、最大で15万粒もの種が取れるのだとか!!(ちなみに、たんぽぽは1つの実から200〜300粒の種が取れるらしいです。ナガミヒナゲシ、すごい!)
かわいらしい見た目からか?花言葉は「平静」「慰め」「癒やし」といった優しい印象のものばかり。
そんなかわいらしいステキな印象から一転。
ナガミヒナゲシは、実は毒があるので危険な外来種として警戒されている植物でした。
根っこからは植物の生育を妨げる成分を含んだ物質を出して生態系へ影響を与えてしまったり、茎の中にある黄色か乳白色の乳液は、直接肌に触れるとかぶれなどの炎症を引き起こしてしまったり、現在は国の「特定外来生物」や「生態系被害防止外来種」には指定されていないのですが、多くの自治体では「在来植物の生育に影響が出る可能性がある」とされているそうです。
とはいっても、やっぱりかわいいその姿。見かけると自然とうれしくなってしまいます。
毒のことは気にせずに遠くからひっそりと愛でて楽しもうかなと思います。