道端に咲く草花の紹介。雑草ファイル07 「ノゲシ 」|みち草さんぽ #07
デザイン会社に勤務しつつ、5歳の男の子を育てる一児の母のmaiさん。
写真を撮ることとお散歩が趣味の彼女は、お散歩中に見かける雑草が最近気になるそうです。今回は、寒い冬でもがんばって咲いている職場の入り口で見かけた雑草のご紹介です。
毎月第3金曜日更新予定です。
早いもので、もう12月。
12月に入った途端、急に年末を感じ始めて、気持ちだけが焦ってしまう今日この頃。みなさん、いかがお過ごしでしょうか?
12月といえば、クリスマスだったり、イルミネーションだったり、キラキラウキウキがたくさん!自然と気持ちが浮き立つのと同時に、なんか1年が終わっちゃう!なんとかしなくちゃ!!と焦る気持ちも急に感じ始めます。笑。
私の場合は、日常の生活がただでさえ慌ただしいので、その日常のバタバタに加えて、クリスマス準備だったり、年末年始の準備や計画だったり、大掃除だったり、お年賀だったり、わーっと色々考えることや、やらなくちゃいけないことが多く感じてしまい、気持ちだけがバタバタとしています。
そんな私のバタバタとは反対に、冬の朝日はずいぶんとのんびりしていて、「あれ?朝、来ないのかな?」と勘違いしてしまうくらい明るくなるのが遅いため、ついついのんびりと寝過ごしてしまったり、寒いからのんびりお布団の中で温まってしまって、ついつい二度寝してしまったり…。そんなこんなで、結果的に冬の平日の朝は一層バタバタ感が追加されているように感じます。
慌てて起きて、急いで洗濯をして、朝食を済ませ、自分と子供の出かけるための準備をして、なんとか保育園へ子供を預け、バタバタと電車へ乗りこみ仕事場へと向かうのですが、通勤電車の中から冬の晴れた日にだけ見られるとびきりの景色にほんの少しの時間、癒されています。
空気が澄んだ晴れた日限定ですが、雪の積もった富士山が遠い景色にくっきりと見ることが出来るんです。ほんの数10秒の間、見逃さないようにそのスポットを通過する時は、ふうっと窓の外を眺めるようにしています。電車の中って、結構みんな携帯と睨めっこをしている人が多く感じるのですが、みんなも窓の外を見たら良いのになーと心の中でひっそりと思っています。
そんなキレイな景色に癒されつつ仕事場へと向かうのですが、もう一つ私にとって癒されるものがあります。それは、職場の入り口にひっそりと佇むノゲシという雑草です。
雑草ファイル07 「ノゲシ」
キク科 / 越年草 / 花期:3~10月 / 草丈:50〜120cm
ノゲシって、よく道端や田んぼ、空き地など人が住む地域で多く生息しているので、みなさんも見かける機会は多いのではないでしょうか。
基本的には春から秋頃によく見かける雑草なので、私がこの文章を書こうと思い立った時には、少しくたびれかけている様子でしたが、それでも一生懸命に寒空の下でひっそりと、しっかり根を張り小さな黄色いお花も咲かせて頑張っていました。そんな姿を見ていると、なんだか自分も頑張ろう!という気持ちを与えてくれます。
前回の記事に引き続き、またまたたんぽぽに似たこちらの黄色いお花。
私が撮った写真だと、もうくったりしてしまっているので、フリー素材からいただいてきたお花の写真も載せておきます。
元気なノゲシの姿は、お花だけアップで見ると本当にたんぽぽみたいですよね。葉っぱの形ももなんとなく似ているけれど、ノゲシの茎は枝分かれして50cm〜1mほどに育ち、その先に黄色いお花を咲かせているのが特徴です。たんぽぽに比べると、ノゲシの方がお花のサイズが小さく、たんぽぽ以上に繁殖している場所が多いそうです。
ノゲシという名前は、葉っぱの形がケシの葉っぱに似ていることにより名付けられたそうですが、ケシの仲間ではありません。
お花の形が違うのはもちろん、色もオレンジやピンク、黄色など色々な色のお花をつけるケシとは違い、ノゲシのお花は黄色一色なので、どちらかというとやっぱりたんぽぽ似。なんと、綿毛もつくそうです!!
ノゲシの花言葉は、「旅人」「幼き友人」「悠久」「見間違っては嫌」「憎まれっ子世にはばかる」と様々な種類があるそうですが、「見間違っては嫌」というのは、ひょっとして見間違えられる相手は、たんぽぽの事なのでしょうか?なんだかかわいいですよね。
たんぽぽと同様、ノゲシの葉や茎も食べられるそうで、江戸時代には栽培が推奨され、宮古島ではオーファと呼ばれ野菜として食べられていたそうです。味は苦味があるけれど、お浸しや炒め物など、色々重宝されているみたいです。中国の古書には「薬草として、脾・胃・肝・腎・心・肺の五臓六腑の邪気を払い、無毒で心を鎮め、気力が充実し、身を軽くして老化を防ぐ、滋養強壮の効果がある」と書かれているようで、なんかすごい雑草みたいです。
年末年始、何かとバタバタと過ごしてしまいそうなこの季節、時々目を落として一生懸命咲いている雑草たちから元気をもらいたいなと思います。