道端に咲く草花の紹介。「ユウゲショウ」|みち草さんぽ #16
デザイン会社に勤務しつつ、6歳の息子さんを子育て中のmaiさん。
写真を撮ることとお散歩が趣味の彼女の日常とともに、身近な植物のご紹介をいたします。今回は、ピンク色のお花を付けているかわいらしい植物「ユウゲショウ(夕化粧)のご紹介です。隔月第3金曜日更新予定です。
早いものでもう11月。
気付けば草木の紅葉は進んでいて、週末ごとに訪れる公園の木の葉の移り変わりを見るのが楽しみな季節になりました。
着実に季節は移り変わってきているはずなのに、肌で感じる空気や陽射しはまだまだ暖かくて、11月だというのに半袖でも過ごせる日があるためか、足元に咲く雑草たちも季節関係なく咲いているような印象です。
先日、私の父親と息子と一緒に大きな公園を散策した際に、鮮やかな色で綺麗に咲いているお花をいくつか見かけました。それらはよく春に見かけるものだったので、「陽射しがたっぷりで暖かいから春と間違えて咲いちゃったのかねー?」と笑いながら私たちも着ていた上着を抱え、散策を続けていました。
こちらのピンク色の可愛らしいお花も初夏から夏の終わりにかけてよく見かけるものなのですが、11月でもキレイな色のお花を付けて元気に咲いていました。
みち草ファイル16 「ユウゲショウ」
アカバナ科 / 多年草 / 花期:5〜9月 / 草丈:20〜50cm
ユウゲショウ(夕化粧)は、アカバナ科マツヨイグサ属の多年草。
午後遅くに開花して、ほお紅や口紅をイメージさせるような艶っぽい花色を持つことからその名前が付いたそうです。
全く別の種類ですが、「白粉花(オシロイバナ)」というお花も別名で「夕化粧(ユウゲショウ)」と呼ばれることがあるため、それと区別するために「アカバナユウゲショウ」とも呼ばれるようになりました。
ユウゲショウのお花は、淡いピンク色。濃い紅色の筋が入った花びらを4枚付けていて、花径は10ミリから15リくらいの大きさです。花の中心部は黄緑色で、雄しべは8本。花粉のある葯の部分は白くなっています。花びらの先は丸っぽくなっていて、なんだかかわいらしい印象です。
茎は束生して高さは20~40cmほど。全体に白色の短毛がうすく生えています。葉っぱはやや広い披針形で互生して、しばしば羽状に裂けいるのも特徴です。
繁殖力がとても強く、果実は雨に濡れると開いて種子が飛び散ります。雨や湿気が多い日には上向きのカップ状に果実が開き、そこに雨滴がたまってあふれ出すと一緒に種子が流れ出すのだとか。
原産地は南米から北米南部。もともとは観賞用として明治時代に日本へ移入されてきましたが、いつの間にか野生化するようになり、道端や空き地でもよく見かけるようになりました。現在は帰化植物として世界の温暖な地域に広く分布されています。
「食べることはできるのかな?」と気になって色々調べてみましたが、日本で食されているというお話はなかなか無さそうでした。
メキシコなどの海外では、薬草として古くから民間療法に用いられているそうで、細菌感染症の一種である癰(よう)、咳、下痢、頭痛、炎症、にきび、皮膚感染症、胃の障害などを和らげるために使用されているみたいです。かわいらしい見た目とは裏腹に意外にすごい雑草なんですね。
ユウゲショウの花言葉は「臆病」
普通のお花は太陽が出ている時間帯に咲くのに対して、ユウゲショウは暗くなる時間に開花することからそのような花言葉が付いたそうです。実際には昼間も咲き続けているので、そんなに臆病じゃないんじゃないかな?なんて思ったりして。他にも「ほのかな恋」や「美徳」などいくつかステキな花言葉が付いているようでした。これらの花言葉の方がなんだかしっくりくるように感じました。
これからだんだん寒い冬がやってきて、道端に咲く植物たちもそんなに姿を見せなくなるんじゃないかなー?と思いつつも、あたたかな陽射しがたっぷりと当たるスポットではきっと、冬でも綺麗なお花を咲かせてくれるんじゃないかと期待しています。私もなるべく寒さに負けずがんばって咲いているお花たちを冬場も見つけていきたいです。