道端に咲く草花の紹介。「ランタナ」|みち草さんぽ #14
デザイン会社に勤務しつつ、6歳の息子さんを子育て中のmaiさん。
写真を撮ることとお散歩が趣味の彼女の日常とともに、身近な植物のご紹介をいたします。今回は暑い季節に見る機会が多い、花火のような和菓子のような、かわいらしいお花の紹介です。
毎月第3金曜日更新予定です。
あっという間に梅雨の季節は終わってしまい、急にやってきた連日の猛暑日。外にいるだけで溶けてしまいそうな毎日に、身体が追いつかなくてバテてしまう方も多いのではないでしょうか?
私もこの急な暑さには耐えきれず、身体はヘトヘト、頭もぼんやりとしてしまって困っています。ひょっとしたら今年は梅雨時期の体調不良よりも、この急激な暑さによるダメージの方が大きいのでは?と感じつつ、なんとかがんばっています。
ただこの暑さ、ビールを美味しくいただくのには最高で、休日であれば日中から楽しむこともしばしば。
平日だとしても、仕事上がりに子供を保育園までお迎えしに行った後、近くのスーパーで買い出しをする際、お買い物前にちょっとコンビニへ立ち寄って、子供へはご褒美アイスを、自分へはご褒美ビールを買って、お外で買い食いプラス買い呑み?をひっそりと楽しんでいたりもします。
暑い気候の中で呑むビールってなんであんなに美味しく感じるのでしょうねー?笑。子供も暑い中食べるアイスは最高らしく、母と子のちょっとした夏の楽しみだったりもします。
そのほかにも、夏はお楽しみがたくさん!
水遊びや海、夏祭りや花火など、今年は少しずつ楽しめるようになるのかな?と、わくわくしています。無理なく楽しくこの暑い夏を楽しんでいきたいものです。
珍しく猛暑日ではなく日中でも比較的過ごしやすい夏のある日、道端でパッと明るい花火のようなお花を見つけました。
みち草ファイル14 「ランタナ」
クマツヅラ科 / 常緑小低木 / 花期:5〜10月 / 草丈・樹高:30〜100cm
ランタナは、観賞用のお花として人気のある植物で、常緑性低木。木の株が成長するだけでなく実をつけて種でも増殖するため、繁殖力が非常に高く野生化が進んでいるそうです。
私が出会ったランタナもすでに野生化されており、コンクリートのすきまの地面からわさわさと力強く生えていて、きれいなお花をたくさん咲かせていました。
和名では「七変化(シチヘンゲ)」と呼ばれており、オレンジや赤、黄色、紫、ピンク、白などカラフルな色味が特徴的で、成長によって徐々に花の色味が変化するそうです。まるでパッと夜空に打ち上げられた花火のよう。どことなく和菓子のような雰囲気も感じます。
そんな鮮やかでかわいらしいお花を咲かせるランタナの存在が気になったので、少し調べてみることにしました。
ランタナは南アメリカが原産で、世界中に帰化植物として定着しており、日本では小笠原諸島や沖縄諸島に移入分布しています。寒さには弱いのですが、暑さにはとても強い植物なので、夏の気候にちょうどぴったり!
びっくりするほど害虫がつきにくく、病気にもなりにくい。さらに日常的に降る雨だけで水やりは特にしなくても大丈夫〜という非常に手のかからないこの植物は、観賞用として人気があるのにも納得です。
ただ、ランタナは「植えてはいけない植物」とも言われているそうで、世界の侵略外来種ワースト100に選ばれていたり、要注意外来種とされたり、なんだかかわいそうな扱いを受けていました。なぜ「植えてはいけない植物」などと言われてしまっているのか…その最も大きな理由は「繁殖力が高すぎる!」ということだそうです。なんと、環境省要注意外来生物リストによると、1個体あたり、12,265個の実を付けるとの報告があったのだとか。
さらに種や葉には「ランタニン」という毒が含まれており、実には甘味があるものの中の種まで食べてしまうと、腹痛や下痢、呼吸困難…最悪の場合は死にも至る可能性があるとのこと。種を食べないにしても、これは実も食べない方が良さそうですね。またランタナの葉っぱはギザギザしていて触ると痛かったり、茎には細かいトゲがたくさん生えていたり…なるべく触らない方が良いそうです。
かわいらしい見た目とは裏腹に、なんだか恐ろしい植物のように感じますが、人間の栽培の歴史は古く、有効に利用されることもあるそうで、花数が多いランタナから蜜源植物としてはちみつを取るのにも利用されていたり、インドの一部ではランタナの木材を利用して、杖や家具を作られることもあるそうです。なんでもランタナで作られた家具は、日光や雨、シロアリのダメージに強いのだとか。
ランタナの花言葉は、「心変わり」や「協力」
成長によって花の色が変化する様や、小さなお花が集まって咲いている様子が花言葉にぴったりですね。
種の毒や茎のトゲが怖いので、なるべく触らないようにしつつ、かわいらしいその姿をゆったりと愛でたいなと思います。