
ブルーの種子が神秘的「旅人の木の実」 | 花と植物とイロドリLife #13
ボタニカルブランド「hakumokuren」主宰のmiwaさん。Museum of plants -植物の美術館-をコンセプトに、アクセサリーやフラワーアレンジメントなどのデザイン、製作を手がけています。ITFA公認フラワーアレンジメントベーシック取得。趣味は愛犬との日々。日常をちょっとだけ特別なものに彩る植物のある暮らしをテーマに綴っていただきます。今回は、ブルーの種子が神秘的な「旅人の木の実」についてのご紹介です。
毎月第3月曜日更新予定です。
毎日暑い。
いや、暑すぎる日々が続きますがいかがお過ごしでしょうか?
コロナウイルスの流行はなかなか収まらず不安も少し残りますが、今年は数年ぶりにお祭りや花火、音楽フェスなどの楽しいイベントも再開してきましたね。
行く予定がある訳ではないのですが(笑)そういった情報を見聞きすると、やっと“夏らしい夏”が戻ってきたなと浮き足立っている私です。
みなさんはこの季節に連想するモノやコト、何を思い浮かべますか?
「海」「空」「プール」「ラムネのかき氷」〜と、青いものを思い浮かべることが多くはないですか?
調べてみると寒色系の色は暖色系の色より2〜3度ほど温度を低く感じさせる効果があるそうで、暑い夏は本能的にこの色を求めてしまうのかも知れませんね。
と言うわけで、今回はそんな寒色系のブルーの種子が神秘的な「旅人の木の実」についてお伝えして、涼しさをお裾分けできたらと思います。

とても神秘的な旅人の木の実。
こちらは主催しているブランド“hakumokuren”でもアクセサリーに使用している植物で、イベントの時に現物を展示していると「着色したの?」とよく聞かれるのですが、実は天然の色なのです。この青い部分は種の部分にあたり、もっと詳しく説明すると種の皮の部分で、中にある茶色い種をこの青い皮で覆っているような形状です。
この皮の部分はしっとりとした油っぽいような不思議な質感で、優しく強く種を守っているような、そんな意志を感じます。
原産はマダガスカル地方で、別名はオオギバショウ。
ゴクラクチョウ科という植物の分類で、よくホームセンターなどで見かける観葉植物オーガスタやストレリチアと同じ科目になるそうです。樹木はバナナの木に似ているということだったので、実際に樹木を写真で見たのですが(是非ご興味ある方はインターネットで検索してみてくださいね)バナナの木よりもユニークな樹形と南国を感じさせる雰囲気、いかにもこの青い種子が出てきそうな風貌でした。
旅人の木という名前の由来は諸説あるそうで、
・ 昔、旅人が喉の渇きを潤すためにこの木の樹液を飲んだ。
・ 葉っぱが東西方向へ扇状に広がることから旅人がコンパスの代わりにした。
などなど。
どれも興味深いのですが、どれが本当かは定かではないのだそう。
きっとそんなミステリアスな部分も人々を魅了するのでしょうね。
そしてこの植物をアクセサリーにしてみようと思ったきっかけですが、私は少しマニアックな色や形、性質を持った植物が好みで、旅人の木もそんな私の心をくすぐる植物の一つ。当初はインテリアとして楽しむ予定でした。
その頃私の中で流行っていたのが、お気に入りの植物を樹脂に封入してコレクションにすること。旅人の木の実ももちろん封入したのですが、それを見た知人が「アクセサリーにしてみたら?」と提案。なんとなく口にしたその一言がきっかけになり、数年たった今でもhakmokurenの人気アクセサリーとして存在しています。
そのアクセサリーがこちらです。

種子に被さっている皮膜をそっと剥がし樹脂に封じ込めると、このようなみずみずしい雰囲気に仕上がります。ベタ(闘魚)のユラユラ揺れる尾びれを連想させる美しさで、鮮やかなコバルトブルーは南の島の海のようです。身につけている本人も、それを身につけているのを見ている人も涼やかな気持ちにしてくれます。
hakumokuren
しずくの耳飾り
旅人の木
旅人の木の花言葉は「強い精神」「南国気分」
確かに本当に強い人はいつも穏やかで明るい雰囲気をまとっていることが多いですね。私も見習いたいところです。笑。
それではまだまだ暑い日々が続きますが、水分補給と暑さ対策をしっかりとして、青い旅人の木の実で涼やかな気分をお楽しみください。
〈hakumokuren 出展情報〉
今月はお休みです。